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糸島の地域通貨い〜とmo

い~とmo

東日本大震災のとき、私は東北支援の文脈で「東北食べる通信」の高橋博之さんのファンになった。手紙を書いたり、会いに行ったりしていた。その高橋さんが、eumo(ユーモ)の創業者・新井和宏さんと共著を出した。それが新井さんを知ったきっかけだった。

それまで私は、資本主義が前提の社会でそれに適応するという生き方をしていた。歳を重ねるにつれ、違和感を感じることが増えてきた。でも、この社会の前提を変えるという発想は、私にはなかった。

あるとき、新井さんがこんなことを言っていた。サッカーのワールドカップを見て、グリーンランドは30万人の国だと知った。日本の全員に通用するような新しい通貨を作るのは難しいけれど、30万人規模なら作れるかもしれない。そして、自分の代で何かを成し遂げるよりも、完成しなくていいから、未来の子どもたちのための一歩を踏み出したい、と。その言葉に、とても心を動かされた。

ちょうど糸島に移住するタイミングで、何をやるかも決まっていなかった。そのころ、eumoの通貨デザインコースの1期生を募集していた。これだ、と思って参加した。ところが、糸島にはすでに「い~と」というeumoとは別の地域通貨があった。eumoのメンバーが教えてくれた。「まきさんはまずい~とに参加すればいいんじゃないですか」と。資本主義社会にいると、同じ領域の活動は競争相手という発想になりがちだ。だからその言葉がとても新鮮だった。い~とを主催していたふじいもんに会いに行ったのが、始まりだった。い~とのコアチームとして活動していて、eumoのことを忘れかけていたころ、新井さんが糸島に来てくれた。ふじいもんと3人で話した。いろんな広がりがあって、数年でこんなに世界は変わるのかと思っていたら、ふじいもんが言った。「まきさん、やっぱりeumoやろうか」
2024年4月、「い~とmo」を立ち上げた。

最初はふじいもんと2人で運営した。2025年からはせどっち・宮さん・幸さんも加わり、5人チームになった。まだまだ小さい活動だ。でも、とても大事な活動だと思っている。これをやっていると、「お金ってなんだろう」という問いに意識が向く。そして、自分たちはどういう社会や関係性をつくっていきたいのか、ということにも意識が向き、実践するようになる。

3年目の今年は、コミュニティ食堂とオルタナティブ自治体にチャレンジしようと、ふじいもんが提案してくれている。どこへ向かうかは、まだ見えていない。でも、この一歩がいつか未来の子どもたちに届くといいと思いながら、関わっている。

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