「糸島の顔がみえる本屋さん」を始めます

「糸島の顔がみえる本屋さん」を始めます

糸島の中心商店街である前原商店街で、「糸島の顔がみえる本屋さん」の開店準備を始めた。

なんで、また、急に本屋さん?

そのアイデアは、ある方との出会いから生まれた。私は自分が応援し、関わっている『共感コミュニティ通貨eumo』が開催しているeumoアカデミーの通貨コース1期生として昨年7月から9月までオンラインで学んでいた。その同級生で、某出版社の編集者である廣畑さんが“本屋さん”に大変情熱のある方で、日本の本屋さんがどんどん減ってゆくことに危機感を持ち、新しく誕生する本屋さんを応援したいとの想いを持っておられた。

廣畑さん曰く、本屋さんはどんどん減っている一方で、今までとは違う新しいタイプの本屋さんができていると。そんな新しい本屋さんを応援したいんだ、という熱いお話を聞いているうちに、ふっとわいてきたのが「私も本屋さん、やりたいな」という純粋な想いだった。

子供の頃、私が大好きだった場所のひとつが本屋さんだった。小学校低学年の頃、東京都杉並区荻窪の実家に祖父母が来たときに、近所の本屋さんに一緒に行き、「好きな本を何冊でも買っていいよ」と言われたときの心の底からわくわくした気持ち。あれにしようか、これにしようか、迷いに迷って数冊選んだときの嬉しさが今も蘇る。

小学校4年になって、横浜市緑区鴨居に引っ越した。荻窪に比べると、当時はまだまだ開けておらず、いろいろなことが違って、残念な想いもあったのだが、駅前の「いずみ書店」がとってもよい本屋さんだった。何十年も経った今でもその名前を憶えている。欲しい本が棚になくても、注文すると、1週間以内に取り寄せてくれた。それで、子供ながらに、鴨居も悪くないなあ、なんて思ったものだ。

そんな楽しい思い出と結びついている本屋さん。自分が本屋さんをやるなんて思ってもみなかったけど、廣畑さんが紹介してくれた、新しいタイプの本屋さんなら、もしかしたら自分にもできるかもしれない。俄然、興味がわいてきた。

糸島に移住、独立し、コネクション・プラクティスの講座を開催したり、個人セッションをしたり、経営アドバイスのオファーを検討したりする中で、糸島がより元気になるような「場」を持ちたいな、それも「てざわり感のある場」を持ってみたいという気になってきた。そして、数か月前にいいなと思っていた「本屋さんをやる」というアイデアが、再燃してきた。

私は、新しいタイプの書店の中でも、吉祥寺で、元楽天の中西さんという方が運営されている「ブックマンション」というアイデアに心惹かれた。ブックマンションとは、30cm×30㎝の本棚を個人オーナーさんに貸し、そのオーナーさんたちが順番に店番を行い、店舗運営を行うというシェア型の本屋さん。オーナーさんの数だけ個性があり、オーナーさん同士や、オーナーさんとお客さんの間にコミュニティができるという、素敵なビジネスモデルである。

廣畑さんにお願いして、上京時に吉祥寺のブックマンションを実際に訪れ、お話を伺った。このタイプなら、なんとか私でもできそうな気がした。糸島の中心商店街などでできたら、社会課題であるシャッター商店街の活性化にも貢献できそうだ。

早速、糸島に戻って、リサーチをしてみた。しかし、商店街の空き物件をみつけるというのが、なかなかの難題だった。どうしたものかと考えあぐねているうちに、他のことで忙しくなり、この件はしばらく忘れてしまっていた。

ところが4月末に、突然、糸島の元気のある起業家のひとりである福島さんから、「商店街の物件を確保したので、ブックマンションをやりませんか?」というお誘いのメッセージが入ってきた。福島さんは、中西さんの楽天時代の同期なのだ。思いもかけないご縁に、心躍った。一方、ひとりで運営するのは、どうも心もとない。そこで、九州大学生向け寮を展開されている、やはり糸島の元気のある起業家である大堂さんに、「九大生なんかと一緒にやれたら、面白いなと思うんですが、誰に相談すればいいですかね?」とメッセージを送ったところ、「それは僕が前からやりたかったことなので、一緒にやりませんか?」という、これまた思いもかけないお返事をいただいた。

そして、糸島版「ブックマンション」構想が、実現に向けて動き出す運びとなった。

ブックマンションのことを知ってから、約1年。こんなにも早く、夢が実現に向かって動くなんて、不思議で嬉しい気持ちでいっぱいな、今の私である。

※ ソトコト記事へのリンク『ブックマンション』がつくる、本と人の未来。

<文責:株式会社まんま 代表 中村真紀>