糸島の顔がみえる本屋さん~100人のオーナーさんが糸かおの宝~

久しぶりに記事を書いてみようと思ったのは、運営している糸かお(糸島の顔がみえる本屋さん)でとても嬉しいできごとがあったから。

100棚、100人のオーナーさんが作る糸かお

糸かおには、100棚のオーナーさんにお貸しする本棚があり、現在、ありがたいことに満席をいただいている。個性豊かな100人のオーナーさんが、それぞれの個性を発揮した本棚を作ってくださっているのが、糸かお最大の魅力であり、財産だ。その100人のうち、遠方からの参加の為、お店番ができないオーナーさんを除く約80人が、1日、前半・後半の2シフトで、順番にお店番をしてくださっており、それが、糸かおがまわる仕組みになっている。

皆さんそれぞれが、日々お店番をしていく中で気づくこと、また、もっとこういう風に改善したほうがいいなと思うことは多々あるはずだと想像している。それらを、直接、言ってくださる方やオーナーさんのコミュニティで作っているメッセンジャースレッドで発言してくださる方もたくさんいらっしゃる。一方、「気づくことがあってもなかなか、発言するのはハードルが高いみたいだよ。」「今日もあるお店番さんが、こういう事が困るとおっしゃっていたけど、言いだしにくいみたいだよ。」というような声もちらほらと耳に入ってきていた。

一緒に糸かおを運営している大堂さんとは、このことに関して何度も話をしていた。意見を出してもらうためのお茶会や懇親会をやるのはどうだろう? 目安箱を作ろうかと言う話もでたが、これだ!という解決策を見つけられずにいた。

嬉しかった交換日記の提案

そんなある日、お店番をしていたYさんから、「ちょっとご相談したいことがあるのですが、本日どこかでお電話してもいいですか?」というメッセージがきた。突然のことで、「どんな話だろう?」と、正直、若干ではあるが緊張が走ったものの、ちょうど電話を受けられる状況だったので、「今、大丈夫ですよ」と返すと、すぐに電話がかかってきた。

電話の内容は、「オーナーさん同士の交換日記(連絡ノート)を作ってくださいませんか?」というもの。私が思ってもみなかったことだった。その日、Yさんはお店番の前に、近くでお店をやっている別のオーナーさんと、糸かおの運営について、お互いが思うことをいろいろ話してくれたらしい。

たとえば、「フェイスブック・コミュニティで発言する人が固定化しているのでは?」「何か言いたいことがあっても、コミュニティに向けて直接発信すると、どんな反応があるのかわからなくて躊躇してしまうのでは?」「ちょっとした気づきをわざわざ発信するほどではないと思ってしまうのでは?」などなど。

でも、それはもったいないよね。どうしたら、もっと「気楽に」気づいたことをシェアできるか考えた末に、思いついたのが「交換日記」方式。お店にノートを置いて、単なる感想でもいいし、気づいたこと、お客様からの要望などを書いてみてはどうか? という提案だった。

私は、とても嬉しかった! 何が嬉しかったって、そんな風に一生懸命、糸かおのことを考えてくれたこと。そして、それを勇気を出して電話で伝えてくれたことが……だ!

「交換日記」という解決策も、大堂さんと私では到底思いつかないものだった。直ぐに大堂さんとこの提案について話し合い、即決で採用を決めた。まだ始めたばかりだが、これまた嬉しいことに、オーナーさんたちからの反応もとてもよい。

今回改めて、糸かおの宝はオーナーさんだということを、再確認することができた。オーナーさんたちに気軽に、コミュニティでのやり取り、活動を楽しんでもらうための環境づくりが大事なこと、そして、オーナーさんの貴重な声を聴いて運営に活かしていくための知恵が大堂さんと私に求められているということも痛感した。

運営の側にいると、ついつい見えなくなってしまうことがある。私たちはオーナーさん全員を知っているということもあり、まだまだ知り合いが少なくて、発言するにも躊躇してしまうオーナーさんの気持ちを忘れてしまうこともあったかもしれない。もっともっと想像力をたくましくして、オーナーさんの立場にたって、気持ちのよいコミュニティづくりをしていきたいと改めて思ったできごとだった。

そして、私たちは、このコミュニティ、このオーナーさんたちに育ててもらっているんだなあ、ということも改めて感じた。糸かおオーナーのみなさん、本当にいつもありがとう。これからもよろしくお願いします。

<文責:株式会社まんま 代表 中村真紀>