夢を口に出してみる -糸島での素敵な場作り

現実主義だと思われがちな私だが、『運勢』『占い』といったものにも興味がある。自分の大きな決断とか転機には、年、月、日単位の運勢を見てもらっている。理由は、なにかロジカルなものがあるわけではなく、とてもシンプルに自分にとって心地良いから。

私の運勢においては、毎年8月は運のよい月らしい。そして、その月に、今後の夢を口に出すと良いとのアドバイスをもらい、少し気恥ずかしい気もするが、勇気を出して、今回は、自分の夢に関して書いてみようと思う。

糸島に移住し、いわゆる「ポートフォリオ型」で仕事を組み立ててきた。コミュニティラジオ、ワインプロジェクト、糸かお(糸島の顔がみえる本屋さん)、個人セッション、コネクション・プラクティスや非暴力コミュニケーション(NVC)の講座、そして経営アドバイスなどを含む構成で、『やりがい』と『稼ぐ』の良いバランス状態を作ろうと試行錯誤してきた。もちろん、すべてがパーフェクトに整っているわけではないが(そんなことは、永遠にあり得ないとは思っているが……)、常に周りに対しての感謝の気持ちに満たされて、充実した日々を送ることができていると思っている。たくさんのご縁にサポートされて、この状態に行きつくことができた。本当にありがたいことである。

次の夢は「糸島での素敵な場作り」

でも、欲張りな私には、まだまだ夢がいくつかあるのだ。そのうちの一つをお話したい。

それは、糸島で、仲間が集まってセッションをしたり、あるいは、リトリートができたり、ワーケーションや、自分を解放する旅の拠点となるような、素敵な『場』を作ること。

コンセプトは、「地元の人が誇りに思う場所。そして、外部から来た人を糸島ファンにするホテル」

はじまりは、「海の見える場所で何かできたらいいな」くらいの気持ちだった。今の糸島で海の見える空き物件なんて、そうそう簡単には見つからない中、積極的に探していたわけでもなかったのに、昨年6月、私の二拠点生活が開始するとほぼ同時に、一つの海のみえる場所を紹介された。「これこそ、ご縁だ!」と思い、遠方から不動産に詳しい友人まで呼びよせて、実際に物件を見てもらったり、何ができるか考えてみたりした。その上で、買い付け書を入れる段まで進んだが、値段が折り合わなかった。

ただの憧れではなく、具体的な物件を見て、プランニングまでしたことで、私の気持ちは、最初の頃に比べ、どんどん強くなっていった。そんなある日。またもや、ご縁を感じる出来事が起きた。新しい物件を紹介されたのだ。それは、まさに私好みの素敵な土地・建物つき物件で、私は見た瞬間にひとめぼれ、そこが欲しくて仕方なくなってしまった。とはいえ、そのお値段は、今の私には分不相応なもので、借入金もかなりの額になるような物件だった。

それでも、私はなんとかその物件を手に入れるため、銀行とローンの相談をしたり、その他の資金調達方法を考えたり、一緒に組みたいと思っている人にプロデュースのお願いをしたりした。努力の甲斐あって、色々算段が揃いそうな感じになってきた。われながらいいプランができたなあと思ったのだが、やはり最後まで値段が折り合わなかった。

さて、そこまでやってしまうと、私の気持ちは“やりたい”に傾く一方だ。この2つの物件は、私をそんな気持ちにさせるために目の前にあらわれてくれたんだと思った。また、そのお蔭で素敵なプロデューサーの方と知り合うことができた。プランを実現する、しないという事より、その方と一緒にあれこれ企てること自体が、私にとっては夢のような体験といっても過言ではない。

“やりたい”気持ちは益々先走り、次から次に海の見える物件を見に行こうとしていた私にそのプロデューサーの方は、「原点に戻って何がやりたいのか、もう一度、ちゃんと考えませんか?」と、一言。まさにその通りである。

そして、「地元の人が誇りに思う場所、そして、外部から来た人を糸島ファンにするホテル」というコンセプトができあがった。今は、これまた素敵な建築家の方と打ち合わせをしており、物件も決まっていないのに、イメージをスケッチに落とそうとしている段階だ。

今後は、そのイメージスケッチをもとにコンセプトにあう物件を探していく。ここが最大の難関になることは間違いない。しかし、繰り返しになるが、私は、全ては『ご縁』に導かれるものと考えている。私がやったほうがいいことなら良いご縁に恵まれるだろうし、そうでないなら、潔く手放そう……とも考えている。

「夢は見ているときが一番楽しい」 まさにその通り!と思いながらも、勇気を出して口に出してみたらかなう確率が高まるかもしれないという下心もあり、今回は、私の夢に関して書いてみました。

<文責:株式会社まんま代表 中村真紀>