コネクションプラクティスの視点 ―扁桃体の過剰反応―

コネクションプラクティスの認定トレーナー(ラスール)の中村真紀です。こちらは、日々の出来事を、コネクションプラクティスの視点から取り上げるシリーズです。

※コネクションプラクティスの視点とは

 コネクションプラクティスとは、非暴力コミュニケーション(NVC)の「共感」と、ハートマス研究所の「ハート・脳洞察」の相乗効果で、自分自身、まわりの方とつながり、人生の課題を解決し、人生を豊かに生きるためのスキルです。取り上げる話題は、日々の生活の中で、コネプラに関係あるなあ、と思ったことになります。場合によっては、「共感だけ」「ハート・脳洞察だけ」にかかわる話題の場合もあります。

コネクションプラクティスの基礎講座では、扁桃体の過剰反応ということをご紹介しています。扁桃体は、私たちの生存を脅かす脅威から守るという役割を担ってくれています。しかし、過剰反応をしている状態だと、過去痛い目にあった記憶から、今現在には当てはまらないことでも、過剰に反応してしまうことがあります。たとえば、子供の頃、犬に噛まれた記憶のある人の扁桃体が過剰反応すると、大人になって噛まれた犬とはまったく違う犬を見ても、「戦う、逃げる、フリーズする」の状態になってしまうことです。

木工体験に扁桃体が過剰反応した

私も、半年ほど前、扁桃体の過剰反応を経験しました。ある仲間との合宿で、プログラムのひとつに木工体験が組み込まれていました。楽しみにしてもよさそうな企画ですが、私はプログラムを見たときから、気が重くなっていました。というのも、昔から、手先が不器用で図工の時間が苦手だった。さらに彫刻刀で指を切って血だらけになって恥ずかしかった記憶まであるからです。

合宿2日目の午後、いよいよ木工体験をしました。簡単な1時間ちょっとのコースで、いくつか作るもののオプションがあります。気がつくと、教えてくださる方がやり方も説明する前から、「私は、めちゃくちゃ不器用なんですけど、1番簡単なのはどれですか?」と質問をしていました。

教える方も仲間も、突然の私の質問に、ちょっと面くらった顔をしていました。しかし、教える方は丁寧に、「どれも簡単ですよ。でも、このバターナイフなんかいいかもしれませんね。」とおっしゃってくださいました。

そして、バターナイフの作り方を聞くと。なんと、もう大体の形はできていて、やすりでひたすら削るだけです。私は勝手に、「木工」という言葉から、彫刻刀を使うことを想像していました。「やすりで削るだけ?それなら、私にもできる」と、ほっとするやら、恥ずかしいやら。

その後1時間のやすり磨きは、とても楽しいものでした。気が付けば、私の作ったバターナイフは、なかなかの出来ではないですか。仲間のひとりが、やさしく「これで、昔の思い込みから、またひとつ抜けられたね」と言ってくれました。本当にそうだなと思い、ほっとした気持ちになったことを今でも覚えています。

ハートと脳を同期させ扁桃体の誤動作を少なくする

冷静に考えれば、話しも聞かないうちから、心配して質問した自分の行動が、恥ずかしくもなってきます。まさに、扁桃体が過剰反応していた瞬間だと思います。

時差はあったけど、扁桃体の反応に気づけたのはよかった。今後は、扁桃体が過剰反応した時には、より自覚的に、対応できそうな気がします。

コネクションプラクティスのスキルのひとつに、ハートと脳を同期させて、コヒーランスという落ち着いた状態を作ることがあります。コヒーランスを作る訓練をすることで、扁桃体の誤作動を少なくしていくことができます。

合宿に参加したときには、まだまだコヒーランスの訓練が足りなかったのかな。でも、すぐに気づけただけ、効果は出てきたのかな、と思いながら、今日もコヒーランスになる練習をしています。

<文責:株式会社まんま 代表 中村真紀>