見るだけで幸せになる 日めくりカレンダー「糸島こよみ」

先日、『糸島こよみ』という日めくりカレンダーを買った。

8月も過ぎてから、今さら、今年(2021年)の日めくりカレンダーを買うなんて、変かもしれないけど買ってよかったと思っている。そして、この糸島こよみを買うことで、今の私の糸島くらしの面白さを心から実感できたので、今回は『糸島こよみ』について書こうと思う。

糸島こよみを知ったのは、『マニフォールド』という、週に一度、月曜だけ営業している面白いカフェでのことだ。このカフェは、以前は数学の先生をしていらした方が、先生になる前からの夢だったカフェの経営を、定年後に実現したお店。筑前前原の普通の住宅街にある、知る人ぞ知るカフェだ。私は、このお店を、自分のオフィスとして使っている『糸島よかとこラボ(通称:糸ラボ)』の仲間から教えてもらった。月曜のランチ時に、面白いお店があるから一緒に行かないかと誘われたのだ。

私はコミュニティラジオ『ラヂオいとしま』で、『糸島の面白いお店』という糸島の飲食店や食材店を紹介する20分番組を持っている。毎週配信するので、常に面白そうなお店にはアンテナを張って、実際に自分で通い、取材店舗の候補としている。取材のためという理由に加え、元来、好奇心一杯で何でも見てやろうという質なので、面白いお店と誘われて行かないという選択肢はなかった。

マニフォールドの面白さについてここに書くことも考えたが、あまりにもたくさんあるのでそれだけで終わってしまう……。興味のある方は、是非ともこちら(Youtube「糸島の面白いお店 019 マニフォールド伊都さん」)を聴いてみてほしい。

さて、マニフォールドがすっかり気に入った私は、そこが朝7時からモーニング・サービスをやっていると知り、月曜の朝はスケジュールが空いている限り、朝一番でモーニングに行こうと決めた。初めて行ったのは8月9日。この日は山の日で祝日だが、マニフォールドは、月曜日であれば、祝日であれ、年末であれ、開店している。そして光栄にも、その日一番乗りの私は大歓迎していただけたのだった。

マニフォールドでは、お客さん同士の会話もはずむ。私の次に入ってきたお客さんと、自然な流れで会話をしているときに、この、「糸島こよみ」の話になった。興味を示した私に、早速、オーナーの筋田さんが実物を見せてくれた。日めくりで、日ごとに、旧暦、月の満ち欠け、潮の状態、糸島72候(24節気を更に細かくしたもの)、日の出、日の入りに加え、日によるトピック(植物、魚、野鳥、地域行事)などが素敵なイラストともに描かれている。

見た瞬間に“ひとめぼれ”。これぞ、私のほしかった情報だ! 

どこで買えるのかを伺ったら、なんと私の大好きな筑前前原のお店、糸島で暮らすつくり手の手仕事の品を紹介する小さなお店『ここのき』で売っているという。その日、家に帰るやいなやここのきのwebを覗いてみると、なんと、お目当ての糸島こよみが残りあと1個という衝撃。WEBショップで購入可とあったので、即注文をした。

すると、間もなくここのきから電話がかかってきた。8月も過ぎて、今年の日めくりを買う人など普通はいないので、「間違いではないか?」と心配して連絡をくれたのだ。なんという親切なお店。こういうところが、糸島のお店の温かいところだよなぁと感激する。

間違いではないことをお伝えし、無事、糸島こよみは、私のもとに届いた。しかし、話はここで終わらない。実は、ここのきオーナーの野口さんは、私の大好きな飲食店『TOKIN』オーナーの金子さんと仲が良かったのだ。私がTOKINに、ワインのテイクアウトを取りに行ったときに、野口さんから私が「糸島こよみ」を買ったことを聞いた金子さんと、こよみの話になった。(ちなみに、TOKINは、ラヂオいとしま、「糸島の面白いお店」の栄えある第1回目に紹介したお店なので、ぜひ、先ほどのリンクからTOKINの回も聴いてみてほしい)

そこで、金子さんが、糸島こよみがもう8年も続いていること。作るのに大変な手間暇がかかっていること。最初はそんなに売れなかったけど、どんどんと支持を得て、今は結構な数が出ていることなどを教えてくださった。そして、そのこよみの作成に、私が最近親しくさせていただいている、森を守る活動や地域通貨『い~と』のリーダーでもある藤井さんが関わっているということも教えてくださった。嬉しい驚きである。

早速、その驚きをメッセージで藤井さんにお伝えしたら、こんなお返事が返ってきた。「そうなんです。糸島こよみは僕が発起人で始めたものなんです。8年続いています。本来、自然そのものがこよみで、それを感じる力を磨こう、そして、みんな同じこよみを持とうというコンセプトのもと始めました」

「本来、自然そのものがこよみで、それを感じる力を磨こう」なんて、本当に素敵だと思いませんか?

なんでこの話を、様々具体名を出して、長々と書いてきたかっていうと、これが、私が「楽しい!」「面白い!」と思う、糸島くらしの真髄を現わしていると思ったからです。好きなお店、好きな人、好きなもの、みんなつながっている。毎日、どこへ行っても、大好きな人たちがいて、ちょっとしたおしゃべりをする。すると、知らなかった面白いものに出会えたり、あの人とあの人もつながっていたのか!この面白いことは、あの人の発案だったのか!という発見があったりして、またその人たちのことが更に好きになる。そんな毎日が素敵すぎてわくわくするということを、お伝えしたくなったのです。

『糸島こよみ』はそれだけでもすごく素敵で、毎日、見るだけでも幸せになれるけれど、その裏に、私の大好きな人達の大切な思いがつまっている。そう思うと、さらに、愛情が深くなります。

※ いとしまこよみ舎 「糸島こよみ」WEBサイト

※  糸島の面白いお店 019 マニフォールド伊都さん

※  「TOKIN(と金)」WEBサイト

<文責:株式会社まんま 代表 中村真紀>